「イーリス! さあっ、今日はマロングラッセだよぉ~!!」

「……!」


おや?
 
僕の可愛いお砂糖ちゃんが、ガチガチに固まっている。
トレイを持つ手が急に重さを自覚して、心にぐっと圧し掛かる。


「どうしたんだい? 具合が悪い?」

「……」

「もしかして、息を止めてる?」

「……」


なんという事だ!

甘い香りを嗅がないように、息を止めて狼狽している。
マロングラッセをふっくら可愛いイーリスの顔の右に左に前に上に下に、寄せてみる。


「イーリス、苦しいだろう? 息をしてごらん?」

「……っ」


大変だ。
顔が赤くなってきた。