そして手をつないだ瞬間、背後からのひそひそ話が耳に届いた。 「サニーの言っていたぽっちゃりさんだね」 「ええ、可愛いでしょう?」 元王妃を、サニーだなんて特別な愛称で呼ぶ、異国の元帥。 これは、只事ではない。 「……」 ロマンチック! 「うわぁ、レースみたいなデコレーションだね。てっぺんから食べるかい? それともカットして芸術的な断面を眺めようか。ねえ、イーリス」 私はヨハンと一緒にデコレーションケーキを見つめた。