丸々とした艶やかな七面鳥の足に手を伸ばしたとき。


「!」

「ぬっ」


同じく、手を伸ばした人がいた。
 

「……!」

「……」


睨み合い、どちらともなく唸り始めた。

緊張から解き放たれて、お腹も空いていて、クロードがいない。
お腹いっぱい食べるには今しかない!!

渡せない……


「こら、ポチャムキン。こちらの御夫人に譲りなさい」

「! アクショーノフ卿」

「?」


ポチャムキンと呼ばれた男性が七面鳥から手を引いた。