クールな部長は独占欲を隠してる【6/18番外編追加】

これにはさすがに照れた。

広岡部長は、果たしてこんなことをサラッと言える人だっただろうか。

…いや、わからない。
今まで仕事での関わりしかなかった上に、ほとんど業務的なことしか話したことがなかったのだから。
今日のこの短い時間で、今まで知らなかった部長のいろんな顔を知ってしまった。
知れば知るほど魅力的な人だなと思う。

社内の女子たちが放っておかないわけだ。

でも、部長のこんな一面を知っている人は、一体社内にどれくらいいるのだろう。

「…ありがとうございます…」

そう言うのが精一杯だった。

「メイちゃーん、お片付けできたー!ハンバーグ!」

創太がお片付けを済ませて駆け寄ってくる。
その一言で漂っていたなんとも言えない空気が吹き飛んだ。

ほっとしながら、

「はい、じゃあ席に着いてー!」

部長もこちらへどうぞー!とダイニングテーブルに案内する。

2人用のシンプルな木目調のダイニングテーブル。
イス2脚と、空いている所に姉の置いていった創太用のテーブルチェアーを取り付けてある。