芽衣子と同棲を始めて早2ヶ月。

愛しさは募るばかり。


例えば、芽衣子は朝が弱い。

今朝も、けたたましいスマホのアラームが鳴る。

「……う〜ん……」

隣で眠る芽衣子が音に反応してもぞもぞと身じろぎするも、慣れた手付きでアラームを止めて再び動かなくなる。

芽衣子はスマホのアラームが鳴っても絶対1回では起きられない。

だから1回目のアラームは少し早めの時間に設定をして、必ずスヌーズ機能にしている。

俺はそのスヌーズ機能が発動するまでの間、芽衣子の寝顔を眺めたりいたずらするのが毎朝の日課だ。

スヌーズ機能で芽衣子が起きるのが先か、俺のいたずらで起きるのが先か。

今日も二度寝している芽衣子の髪を梳き、頭を撫で、頬を撫で。

そんなもんじゃ起きないことは分かっているから抱き締めて、おでこに瞼に頬に。そして最後に唇に、そっと啄むようなキスをして。


……ここで大体芽衣子が目を覚ますことが多い。
 

「……おはよう、蒼介さん」


ちょっと頬を赤らめ、目を擦りながら俺を見つめてふにゃあ、と微笑む芽衣子。

「……おはよう、芽衣子」


その顔を見て毎朝思う。
あぁ、幸せだなぁ、と。




同棲後、ある朝の一コマーfinー