よしよし、と慰められて、こうなったらたくさん食べて飲んで気を紛らわせよう!そう意気込んでいたら、
「普段業務以外であんまり話せないから!」と、営業部の人たちにすごい勢いで次から次へと話しかけられ、戸惑う。

それを枝豆を摘みつつなぜかニヤニヤしながら眺める奈美。

それからしばらくして先ほどまで蒼介さんたちと同じテーブルで広報部の女子たちに囲まれていたはずの営業部1年目の後輩、瀬野尾(セノオ)くんが私の隣にいた営業部の先輩が席を立ったタイミングでいつの間にか私の隣にやって来て、なぜか甲斐甲斐しく料理を取り分けてくれているのだ。

どこかのアイドルグループにでも属していそうなベビーフェイスで、はい、どうぞ!とお刺身を取り分けて渡してくれる邪気のないその笑顔はまさに癒し系。

「瀬野尾、君は女子に生まれてきた私たちより女子力高いね」