レポート


「私は、冴島翠(サエジマ ミドリ)。

 工学部の3回生。

 じゃあね、ストーカー君。」

 そう言い残して、彼女は去って行った。

「何なんだ、アイツ。」

 翠の言葉に動揺したのか、架はそこからしばらく動けなかった。

 どうして、彼女がそんなことを知っているのか。

 いや、知ることが出来たのか。

 そんなことを考え込んでいると、右手に持っていたスマートフォンにDMが届いた。

 差出人は、知らないアドレスである。

 架は恐る恐る受信ボックスを開いて、そのメールをタップする。