「千彰先輩のケーキは……えっと、最初はたしかにおいしくなかったけど……でもほんとうにがんばって練習したんだよ!」
おじいちゃんは黙っている。
「おじいちゃんだって言ってたじゃん。昔はおせんべい作りうまくできなかったって。でも必死にがんばってここまでこれたって。だから先輩の気持ちがわかるでしょ?」
わたしはおじいちゃんの手をにぎった。ずっとおせんべいを作ってきた手だ。
ちいさいころはいつもこの手をにぎって、おじいちゃんからいろんなお話を聞いた。
おせんべい作りの修業が、つらかったこと。
はじめて「おいしい」と言ってもらえたとき、とてもうれしかったこと。
最初はちいさかったお店を、がんばっておおきくしていったこと。
おじいちゃんは昔からガンコだったけど、それでもわたしはおじいちゃんといっしょにいられる時間が好きだった。
だっておじいちゃんがわたしを大事に思ってくれているって、子どものわたしでもわかっていたから。
「お願い、おじいちゃん。ひとくちでいいから食べてみて」
わたしはおじいちゃんの、ずっとおせんべいを作りつづけてきた手をぎゅっとにぎる。
おじいちゃんはしばらく黙ったあと、ぽつりとつぶやいた。
おじいちゃんは黙っている。
「おじいちゃんだって言ってたじゃん。昔はおせんべい作りうまくできなかったって。でも必死にがんばってここまでこれたって。だから先輩の気持ちがわかるでしょ?」
わたしはおじいちゃんの手をにぎった。ずっとおせんべいを作ってきた手だ。
ちいさいころはいつもこの手をにぎって、おじいちゃんからいろんなお話を聞いた。
おせんべい作りの修業が、つらかったこと。
はじめて「おいしい」と言ってもらえたとき、とてもうれしかったこと。
最初はちいさかったお店を、がんばっておおきくしていったこと。
おじいちゃんは昔からガンコだったけど、それでもわたしはおじいちゃんといっしょにいられる時間が好きだった。
だっておじいちゃんがわたしを大事に思ってくれているって、子どものわたしでもわかっていたから。
「お願い、おじいちゃん。ひとくちでいいから食べてみて」
わたしはおじいちゃんの、ずっとおせんべいを作りつづけてきた手をぎゅっとにぎる。
おじいちゃんはしばらく黙ったあと、ぽつりとつぶやいた。


