マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

 千彰先輩といっしょに店に入る。店内にお客さんはいなかった。

「いらっしゃいませ」

 と言ったお母さんが、目を丸くする。

「た、ただいま、お母さん。今日はお客さん連れてきたよ」

 苦笑いしながらそう言うと、となりに立っていた先輩が口を開く。

「はじめまして! 桃花さんとおつきあいさせていただいている、栗原っていいます!」
「お、おつきあい?」

 さらに目を丸くしたお母さんの後ろから、お父さんが飛びだしてきた。

「おつきあいだと!?」
「はい」

 お父さんの前で、先輩がにっこりと微笑む。
 あの王子さまスマイルのほうだ。

「し、知らなかったわぁ、桃花にこんなステキな彼氏がいたなんて」

 お母さんは目をキラキラさせている。

 そりゃ驚くよね。
 いままで「好きなひと」もいなかったわたしが、いきなりこんなハイレベルな彼氏を連れてきたんだから。

「あ、おじいちゃん」

 ぼうぜんとしているお父さんの後ろから、今度はおじいちゃんが出てきた。
 いつもの作業着姿で、厳しい顔をしている。