マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

 その日の放課後も、千彰先輩がわたしを迎えに来た。
 そしてたくさんのひとにちらちら見られながら、わたしの手を引いて歩く。
 わたしは恥ずかしすぎて、顔を上げられない。

「桃花? 大丈夫か?」

 先輩がちょっとかがんで、わたしの顔をのぞきこむ。

「顔、赤いぞ? 熱でもあるんじゃね?」
「だ、大丈夫です」

 先輩の顔、近すぎです。

「心配だから家まで送るわ」
「えっ、それはっ、けっこうです!」

 わたしが大声で言うと、先輩がじろっとにらんだ。

「桃花。そんなにおれに家知られたくねぇのか?」
「そ、そういうわけじゃ……」
「いっつもおれが送るって言っても断るよな?」
「…………」

 なにも言い返せない。

 わたしだってほんとうは、もっと先輩と歩きたいけど……でも家まで送ってもらったら、わたしの家がおせんべい屋さんってバレちゃうよ。
 それにおじいちゃんにも、会わせたくないし。

 先輩はそんなわたしの手をぎゅっとにぎりしめた。

「今日は送る。おれは桃花の彼氏なんだから、桃花のことはなんでも知りたい」

 その言葉にドキッとする。

 そうか、先輩はわたしの彼氏なんだ。
 だったら隠しごとはよくない。
 わたしだって先輩のこと、もっともっと知りたいもん。

「じゃあ今日は……お願いします!」

 わたしがぺこっと頭を下げたら、先輩がおかしそうに笑った。