翌朝、千彰先輩は、わたしの教室までやってきた。
そしてにこにこ笑顔で「桃花の顔を見にきた」なんて恥ずかしいセリフを口にして、「また昼休みに!」と、さわやかに自分の教室へ戻っていった。
そのあとわたしは藍ちゃんと香奈ちゃんに、昨日のことを話したんだ。
先輩のニセ彼女をやめて、ほんとうの彼女になったって。
「やったね! 桃花!」
「こうなると思ってたよ、あたしたち!」
ふたりが興奮したように、わたしの手をにぎってくる。
「だって昨日の千彰先輩の必死な顔!」
「え?」
「桃花が女子の先輩に悪口言われて出ていったって話したら、めっちゃ心配してさぁ」
「そうそう、あわてて桃花のことさがしに、飛びだして行ったんだよ!」
「まるでお姫さまを助けに行く、王子さまみたいだった!」
わたしは昨日、息を切らして駆け寄ってきた先輩の顔を思い出し、恥ずかしくなる。
ていうか、先輩はともかく、わたしがお姫さまってありえないよ。
「桃花、愛されてるねー」
「そ、そんなことないってば」
「自信持って大丈夫だよ」
「そうそう、千彰先輩は桃花を選んでくれたんだから」
そう……なのかな?
でもやっぱりまだ、自信はないよ。
三人でキャーキャー話していたら、突然名前を呼ばれた。
「鹿子桃花さん、ちょっといい?」
見ると教室の入り口に、美咲先輩が怖い顔で立っていた。
そしてにこにこ笑顔で「桃花の顔を見にきた」なんて恥ずかしいセリフを口にして、「また昼休みに!」と、さわやかに自分の教室へ戻っていった。
そのあとわたしは藍ちゃんと香奈ちゃんに、昨日のことを話したんだ。
先輩のニセ彼女をやめて、ほんとうの彼女になったって。
「やったね! 桃花!」
「こうなると思ってたよ、あたしたち!」
ふたりが興奮したように、わたしの手をにぎってくる。
「だって昨日の千彰先輩の必死な顔!」
「え?」
「桃花が女子の先輩に悪口言われて出ていったって話したら、めっちゃ心配してさぁ」
「そうそう、あわてて桃花のことさがしに、飛びだして行ったんだよ!」
「まるでお姫さまを助けに行く、王子さまみたいだった!」
わたしは昨日、息を切らして駆け寄ってきた先輩の顔を思い出し、恥ずかしくなる。
ていうか、先輩はともかく、わたしがお姫さまってありえないよ。
「桃花、愛されてるねー」
「そ、そんなことないってば」
「自信持って大丈夫だよ」
「そうそう、千彰先輩は桃花を選んでくれたんだから」
そう……なのかな?
でもやっぱりまだ、自信はないよ。
三人でキャーキャー話していたら、突然名前を呼ばれた。
「鹿子桃花さん、ちょっといい?」
見ると教室の入り口に、美咲先輩が怖い顔で立っていた。