マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

「見てみてー、お姉さん、かわいいでしょー?」

 千彰先輩の家のリビングのソファーに、緊張したまま座っていたら、千尋ちゃんが猫を抱いて駆け寄ってきた。
 猫の首にはクリーム色の首輪がついていて、星の形のチャームがゆれている。

「わぁ、かわいい」
「前飼ってた猫のなんだけど、ぴったりだったの」
「よかったね」

 わたしが言ったら、千尋ちゃんはにこっと笑った。
 わたしはひとりっ子だけど、こんなかわいい妹がほしかったなーなんて思う。

「お姉さんって、千彰兄ちゃんの彼女なんでしょ?」
「へ?」

 驚いたわたしの横にちょこんと座り、千尋ちゃんが顔をのぞきこんでくる。

「お兄ちゃん最近ケーキ作りめっちゃがんばってて。毎週日曜日にモンブラン持って出かけるから、この前あとつけちゃった」

 千尋ちゃんがてへっと笑う。

「そしたらお姉さんと会ってたからさ。あ、彼女に食べさせてあげるために、がんばってたんだーって思って」

 わたしはなんて答えたらいいのかわからない。

 わたしがほんとうの彼女だったら、とってもうれしいけど、わたしはほんとうの彼女じゃないんだもん。