マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

 それからも千彰先輩は、朝も昼も帰りもわたしにからんできた。
 そして日曜日にはモンブランを作って、わたしに食べさせてくれる。

「うん! このマロンクリーム、なかなかおいしいです!」
「マジか!?」
「でもちょっと下の生クリームが多すぎるみたい。あんまり多いとしつこくなっちゃわないかなぁ……」
「わかった。次は生クリームを少なめにしてみる」

 わたしはモンブランを食べた感想を言って、先輩はそれをメモに取り、改良を重ねていく。

 そんなことをしているうちに、先輩の作るモンブランは、はじめて食べたものより、すこしずつおいしくなっていった。
 おまけに先輩に近寄ってくる女の子たちも減って、ほんとうにケーキを食べたいお客さんだけが、ケーキショップを訪れるようになったという。

 そして今日の放課後も、わたしは千彰先輩といっしょに帰り道を歩いていた。
 なぜか手をつなぎながら。

「あ、あのー、千彰先輩?」

 わたしはおそるおそるとなりを歩く先輩に聞く。

「これ……必要でしょうか?」

 つながりあった手をそっとゆらす。
 すると先輩が首をくいっと動かし、小声でささやいた。