マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

「千彰くんの彼女ってどの子?」
「あのちっこいボブヘアの子らしいよ」
「え、マジで?」
「どうしてあんな子が……」

 そんな声が耳に聞こえて、胸にグサッと刺さる。
 もうやだ。どうしてわたしがこんな想いを……

 わたしは香奈ちゃんと藍ちゃんの腕をつかんで、教室の隅に引っ張った。

「ねぇ、聞いて、ふたりとも!」

 わたしのただごとではない雰囲気に、ふたりが真剣な顔でうなずく。

「わたし、千彰先輩とつきあってないよ。これにはいろいろわけがあって……」

 わたしはふたりにいままでのことをぜんぶ話した。

 モンブランを食べていた公園で、偶然千彰先輩に会ったこと。
 朝、裏庭のベンチで、先輩と話したこと。
 日曜日、先輩の作ったモンブランを食べたこと。
 さっき美咲先輩から逃げるために、勝手にわたしを『彼女』にしたこと。

 ふたりは黙ってわたしの話を聞いてくれた。