マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

 その日、家に帰ると、わたしは紺色の作務衣に着替え、桃色の前掛けをつけて店に出た。

「あら、桃花。めずらしいじゃない」

 店にいたお母さんは、わたしを見てちょっと驚いた顔をする。
 わたしが店の手伝いをするのは、久しぶりだったから。

「うん。たまにはお手伝いしようと思って……お店番はわたしがやるから、お母さん家のことやってきたら?」

 千彰先輩ががんばっている姿を見て、わたしもちょっとがんばってみようかなって思ったんだ。

 お母さんはにっこり微笑んで、「ありがとう。そうするわ」と、家のなかへ入っていった。

 わたしはちらっとおせんべいを作っている、おじいちゃんを見る。
 するとおじいちゃんもこっちを見ていて、でもすぐにいつもの厳しい顔で、おせんべい作りのつづきをはじめた。