マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

「ただいまぁ」

 気分よく家に帰ると、おじいちゃんがおせんべいを作るときの作業着姿のまま、玄関に仁王立ちしていた。

 おじいちゃんはひょろっとしたやせ型で、そんなに背も高くないんだけど、なぜか威圧感がすごい。

「遅かったのう? 桃花」
「あ、えっとぉ、友だちとのおしゃべりに夢中になっちゃって……」

 ケーキ屋さんに寄り道してたなんて、ぜったい言えない。
 でも証拠は食べちゃったし、バレるはずは……

「なんじゃ、それは?」
「え?」

 おじいちゃんがずいっとわたしに近づいて、顔をのぞきこんできた。
 そして人差し指を一本立てて、わたしの口元をちょんっとつつく。

 ま、まさか……

 口元から指を離したおじいちゃんが、指先についたものをじいっと見つめた。

「……なんだ? これは」
 
 それはモンブランのマロンクリームです! なんて言えるわけない。

 おじいちゃんは指先を見つめたまま、めちゃくちゃ顔をしかめている。