マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

「あんたは? なんでこんなとこで食ってたんだよ?」
「えっと……お腹すいちゃったので」

 先輩が眉をひそめて、わたしを見つめる。

「そ、それにケーキ大好きなんです! でもうちではなかなか買ってもらえなくて……ほんとはショーケースのなかのケーキ、ぜんぶ食べたかったくらいなんですけど、わたしのおこづかいもあんまりないから、一個しか買えなくて……」

 あれ、わたし、なんで先輩の前でこんな話してるんだろう。

 先輩はますます顔をしかめてわたしを見た。
 そしてぼそっとひとりごとのようにつぶやく。

「あんたっち……ケーキも買えないほど貧しいのか?」
「えっ、いや、そういうわけではないんですけど……」
「もしかしてメシも食えなくて……それでこんなところでケーキを……」
「いえっ、ご飯はちゃんと食べてます!」

 朝昼夜、しっかり白米を食べるよう、おじいちゃんに言われている。
 だからご飯は毎日三食、がっつり食べているんだ。
 それでも、あまいものは別腹っていうじゃない?

 でも千彰先輩は信じてないのか、わたしをあわれむような目つきで見た。
 それから「よし、わかった」とひとりで勝手に納得してから、すっと立ち上がる。