マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

 わたしたちは千尋ちゃんと別れて、開店前の『鹿子家』へ向かう。

「じいちゃんに認めてもらったらさ」

 千彰先輩がとなりを歩きながらつぶやく。

「どっか遊びに行かね?」

 ちらっと横を見ると、先輩がちょっと照れたような顔でわたしを見ていた。

「夏休みだしさ。海とか祭りとか花火大会とか」

 そういえばわたしたちはまだ、デートってものをしたことがない。
 学校では毎日会っているし、休みの日は公園でケーキを食べているけれど、どこかにふたりで出かけたことってないんだ。

 海、お祭り、花火大会……千彰先輩といっしょに行くって考えただけで、ドキドキしちゃう。

「……うん、いいよ」

 わたしが答えたら、千彰先輩はあのちょっとかわいい顔で笑って、わたしの手をきゅっとにぎりしめた。