マロンクリームの王子さまは、わたしのことが好きみたい!?

「カンペキです、千彰先輩!」

 夏休み最初の日。
 わたしは公園で千彰先輩の作ったモンブランを食べて叫んだ。
 千彰先輩はちいさくガッツポーズをして「よしっ」とつぶやく。

 わたしのとなりでは、膝に猫の『クリーム』をのせた千尋ちゃんが、モンブランを食べている。

 すっかり栗原家の一員となっているこの猫は、亡くなった『マロン』の弟分だから『クリーム』。
 二匹合わせると『マロンクリーム』になるってわけ。

「うん。なんとか食べられるようになったね。千彰兄ちゃんの作ったケーキは、人間の食べ物とは思えなかったから」
「うっせぇわ」

 わたしはふたりを見て笑いながら言う。

「今日こそはおじいちゃんに『うまい!』と言ってもらいましょう!」
「おう! もちろんだ!」

 わたしたちは毎週毎週、モンブランの改良をつづけてきた。
 最近は千尋ちゃんにも味見の協力をしてもらって、ますますおいしくなってきた。

 今日こそはぜったいおじいちゃんに認めてもらうんだ。