きみのため




わたしの血を被った紫乃くんは、
とても嬉しそうに微笑んだ。



白い頬に付着した血を指で掬うと


ペロリと舐めとる。




「真央の…血。美味しい。
血の一滴すら俺のものだもんね」



妖艶に笑う紫乃くんは
悪魔のようだった。


あの頃の誠実で優しかった面影はどこにもない。



──ううん、もしかしたら
最初からおかしかったのかもしれない。


ドライブをして、星が綺麗と感激していたあの頃から…