きみのため




わたしはあのときようやく

紫乃くんの異常さに気づいた。


怖くて怖くて

自分を守るように、避けた。




だけど、きっともう遅い。


わたしはどうすれば良かったのだろう。




「いくら好きでも、愛していても
俺のことだけを見ない真央なんて…

いらないよね」




その瞬間

わたしの手に突き刺っていた刃物が
勢いよく抜かれた。



────ブシュッ



血飛沫が、わたしと紫乃くんに飛び散る。