きみのため




刺されるような感覚に、思わず振り向けば



「逃がさないよ」




無表情の氷のような紫乃くんが、
わたしの手を掴んで、見つめていた。



そして───




「悪い子だね…俺の真央は」




反対の手に持つ鋭利なもので、
掴んでいたわたしの手の甲を突き刺した。




それは皮膚を切り裂き、肉を貫いて


そのままアームレストに串刺しにされた。