きみのため




「紫乃くん、だからわたし…っ」


「真央、シートベルトしないと危ないよ?」


「いや、行かないってば」


「今夜は雲がないらしいね。
きっと星が綺麗に見えるよ」




まったく話を聞いてくれない紫乃くん。


正直、とても怖かった。

行っちゃダメだって身体が叫んでた。




「ごめんっ、ほんとにむり!」


怖くて、反射のようにドアを開けようとすれば




「真央」



低くて、感情の欠片も無いような声。