「進捗は?」 ヴァクーニが机の上に目線を投げる。 私の仕事は、古文書の内容を後世の人々が解き明かせるように、古語辞書を編纂するための事前目録の作成だった。 「好調です。生きている間にはまとまります」 「せいぜい健康でいてくれ」 「絶好調です♪」 そう、私は人生をかけた大仕事を担っている。 かつて私の大祖母と共に建国に貢献した勇者の家系の端っこのミハイルに付き合っている時間は、ない。全然ない。冒険なんて以ての外。恐いし、厳しいし、痛いし、苦しいし。