小さな話し声が遠くで聞こえるような気がする
夢うつつの中で聞き慣れたような声…
その声はだんだんとはっきりと聞こえてくる
声の主をはっきりさせたくて重い重い瞼を開ける
少し開けた目から入る光は今の私には眩しすぎた
だって、まるで暗いトンネルから出たような感じだったから。
?「結愛?」
まだボヤける視界には誰かが写っていて、私の名前を呼んでいる
?「結愛、結愛!
聞こえるか?結愛」
肩を優しくぽんぽんと叩かれ、視界はだんだんと開けていく
瞳に写ったのは龍太さん
「………りゅ…た……さん…………
……………お…………かえ……り…なさい………」
掠れた小さな声が私の喉を通って出た
龍太さんは安心したように頬を緩め、目尻が下がる
蕩けるような声が聞こえた
龍太「結愛も、おかえり」
龍太さんは横たわる私を優しく抱いた