「…バーカ」 わしゃわしゃとあたしの髪を撫でるその手は いつもより優しくて 温かい、笑顔だった。 「なっ… それにあたし、パーカーちゃんと持ってきたんだから!」 …パーカーはまだ要らないかなって思ってたから、荷物の中に詰め込んで琉生に預けていたのだけれど。 「…ならさっさとパーカー着てろ。 そうすりゃ俺もTシャツ着るから」 何だかんだ言って、いつも琉生は優しい。 …ねぇ 琉生。 貴方がこんなに優しいのは… あたしがお嬢様だからなの?