「写真撮るとか、アルバムにメッセージもらうとか、そんくらいはあんちゃんから言ってみればいいんじゃない?」
「なんでわたしが」
ミノの言葉にすぐさま反抗すれば、呆れたようにため息が返ってきた。
「じゃあもし今日が終わって4月になって会えなくなって?地球がひっくり返ってあんちゃんが篠崎に会いたくなっちゃったら、自分から連絡できるの?」
「……地球は毎日回ってるからひっくり返るし」
「ハイハイ、わたしたちはちゃんと言ったからね!」
そんなこと言われなくてもわかってるよ、
今日で終わり、実感はいまだになし。
あしたから理由がなくても顔を合わせる必要はないし、顔見ただけですぐさま飛んでくる皮肉も聞かなくて済むし、語彙力ゼロの会話をする必要もない。
好きな音楽の話を交換したり、どうでもいいはなしはもうできない。
校門に見えた『卒業式』の文字に、わたしは深くため息をついた。



