きみに、恋う






「あんちゃん、写真撮ろ!」



ばらばらと、自分たちの席から離れて集まって写真を撮ったり、先生と写真を撮ったり。
自分のスマホを片手に、クラスメイトや他クラスの子と写真を撮るために学校を歩き回る。



まだ帰りたくない、と、まだ帰ってほしくない、が混ざっている。


教室に戻れば、まだ篠崎は残っていて、篠崎の仲のいいグループがこっちを向いて手招きをした。



「みんなで一緒に撮ろうぜ」

「とろとろー」



8人で何枚か撮ったあと、ばらけてサユが清水に声かけたりしている隅で、篠崎と視線が絡む。

ぎこちなく近づいて、スマホを差し出した。




「……とろ、」

「…おー、とる」




なんでこんなに居心地が悪いんだ、そう思うくらいに心臓がどきまぎ変な音を立てているし、篠崎が近づいてくる距離に苦しくなる。


無言の了承で、誰も映らないように教室の隅っこに二人で移動する。

篠崎の態度もなんだかぎこちなくて、ふたりして視線をそらして、わたしのスマホを持った篠崎が、おい、って私を呼ぶ。



「なんか、わらえない、」

「別に笑わなくてもいいんじゃね」

「やだよ、笑いたいもん」