きみに、恋う






篠崎らしい文章だった。
指でなぞるように二回も読み直してしまう。



さみしいよ、すっごくさみしい。
篠崎もそう思ってると思うと、すこしだけ嬉しかった。

言葉では素直になれないのに、文字なら少しだけ素直になれたような気がした。


わたしの書いた文章を「なにこれきも」とか言ってくること覚悟していたけれど、篠崎もおんなじくらいきもいからお互い様だ。



だって、初めてこんなにうれしい。

悔しいけど、もう遅いけど、わたしが素直になれば、もしかしたらもっとまえにわたしたちの関係を変えることができたんじゃないか、なんてうぬぼれたことを考えて。



それから、もう全部遅いことを改めて実感した。




「長いようで短かった3年間だっただろう。入学式の日に担任の先生たちにあっという間だって言われたやつばっかりだと思うけど、本当に高校生活ってのは一番短いんだよ。そう感じたなら感じたほどお前らが高校生活を楽しめたってことだよ」




あっという間だった。

入学したときは友達ができるかも不安だったけれど、一週間もたてば友達ができて、クラスにも慣れて、それから女子高生らしくメイクをしたりスカートを切ったりした。
髪の毛もゆるく巻いてみたり、お団子にしてみたりアレンジをするようになって、女の子はめんどくさいことだらけだけど楽しいって思えた。



「やりのこしたことがないように、学校に忘れ物はひとつもしないでほしい、この場所には何度でも遊びに来れるけど、もう制服は着れないし、ここはもうお前らが生活する場所じゃないからな」