「──あなたたちは伝説の聖女となりました。ですが、ひとつ絶対に忘れてはいけない大切な事があります。あなたたちは、ひとりでは完全ではありません。共鳴する者を求め、見つけたら、尊敬と愛を持って力を合わせるのです」


──はい、女神様!
──女神様! どこへ行けば運命の仲間と出会えますか?
──女神様!! 私たち、世界を救います!!


「──私を崇めてはいけません。崇められるべきお方は、神だけです」


──わかりました、女神様!
──今、うしろにいらっしゃるのが神様ですかッ!?


「──え?」


振り向くと、お爺さんが立っていた。
ぽやん、としている。


「──え、ええッ! そうです。神もあなたたちを見守っておられます」


──頑張ります! 何があってもやり遂げてみせますッ!!


「──伝説の聖女たちよ、王都の北の砦へ向かいなさい。信じていますよ」



ふぁーん、ふぁーん、ふぁーん。
時空の扉を閉じて、球体は消えた。

人任せと言われれば、そうだ。
だけど彼女たちが望んでいた。私には、もう重荷にしかならない力だった。