「……」

「……」


今日も、お茶が美味しい。


「……」

「……どうしたんだい、難しい顔して」


お爺さんは、今日、エッグタルトを持ってきてくれた。
ついつい食べ過ぎてしまいそうになる美味しさだ。


「あのね、お爺さん。私……」

「うん」

「ここに来た時、すごく……その……動揺してたから」

「そうだったね」


うんうんと穏やかに頷いてくれるお爺さんは、記憶を手繰るように目を細めた。元々しわくちゃで細くて可愛い目が、糸みたいになる。
ますます可愛い。


「それでね。私……お爺さんに、礼儀正しくできなかったなって……」

「ええっ?」


可愛い糸みたいな目が、パチッと開いた。


「そんな事を気にしていたのかいっ? フレヤ! なんてこった!」