「あのぅ、もしよかったら、魔王8将軍のひとりになって頂けないでしょうか……そのぉ、8人目の将軍として。女将軍っ。えへへ」

「消えて」


中級魔族が団体で勧誘しに来た。
まったく腹立たしい。

あまりに薄情な人間に愛想を尽かして、魔王に会いに行ったのは確かに私だ。でも、魔王は私を無視した。コバエのように、小さいくせに鬱陶しくて嫌なヤツだから居ない事にしてやるという感じで。

だれが魔王なんかにつくか。
 

「……フレヤ様」


大地の精が築いた草木の防壁を掻き分けて、よくわからない黒い塊が縋ってくる。もしかすると、私のいい返事を持ち帰らないと罰せられるのかもしれない。

ふんっ。
栄光の槍(グロリエ・アスタム)で撃退だ。


「消えてッ!」

「ギエアアアアァァッ!!」


まったくもう。
安く見てくれちゃって。むかつく。

 
「♪~」


スキップで家に帰る。