「あ……ありがとうございますッ!」

「消えて。あなたの話は信用できない」

「フレヤ様ッ!?」


立ち上がったイルヴァに背を向ける。
腕を掴まれて、容赦なく叩き落した。

振り返ると、怒りを目に湛える小娘がいた。


「あなたは国の一大事にこんな場所で不貞腐れていて恥ずかしくないのですか!」

「ふっ」


これは、笑っちゃう。
千切れた法衣の裾を掴んで引き寄せ、こちらから睨みつけてやった。


「……っ」


イルヴァは怯えて、忽ち涙を浮かべた。
自分の立場を思い出したようだ。


「あんた、私になんて言った?」