「3名様ですか?」
気付くと店員が声をかけていた。
「あ、俺はこの子達とは別で!後で連れが来るのでお願いします」
ニコリと笑った隼人の笑顔に店員は胸を撃ち抜かれていた。
「わかりました、では、お席ご案内致します。そちらの女性お2人もどうぞ」
店員さんはさっきよりももっと優しく案内をしてくれた。
「1名様はこちらでどうぞ」
店員は隼人を先に案内して、仕切りを越えた後ろの席に成美と香織を案内した。
「2名様はこちらでお願い致します」
そして「ご注文お決まりになりましたらお呼びください」と言ってその場を去った。
香織が後ろを向き、「隣だね」と笑った。
区切られた仕切りから少し顔を出し、「そうだね」と照れるような笑みを見せた。
(いい感じじゃん。)
そう思ったけれど香織の初恋は水口だ。
大きくため息をつくと、香織が振り返って「どしたの?」と聞いてきた。
「う、ううん!何も!所でお昼何にする?」
「あ、決めてないね。メニューメニュー…っと」
香織は何も無かったのようにメニューを探し始めた。
「お待たせ致しました」
香織の前にはホワイトソースのかかったオムライスが、成美の前にはカニのクリームパスタが並べられた。
2人揃ってクリーム系が好きなので、机が白色ばかりだ。
「美味しそー!食べよ食べよ」
香織が嬉しそうにスプーンをとり、1口オムライスを頬張った。
満面の笑みを浮かべた香織に続き、成美もフォークでパスタを巻き始めた。
「いただきまーす…」
はむっと1口食べると、口の中にパスタのクリーミーさが一気に広がった。
細かくも噛みごたえがあるように裂かれたカニの味もソースと絡まり絶妙なバランスだ。
「美味しー!さすがNewカフェ!」
「この駅前も日に日にオシャレになってくね」
休むことなくオムライスを食べながら香織が話す。
「そだね!でも香織…食べながら喋んないで…」
苦笑しながら告げると、「ごめんごめん」と口に卵が入った状態で謝ってきた。
(直ってないのよ…)

