一目惚れした人は学園の王子様


「ねぇ、ここに熊谷さんいる?」

という、声が聞こえ、それと同時に、女子の黄色い悲鳴が聞こえた。

「美桜ちゃんなら、ここにいます!!」 

と一人の女の子が言った。

「あ、いた。」

その声が聞こえる方を見ると、菅原先輩がいた。

「ねぇ、美桜ちゃんいつあいつと知り合ったの?」

と、奏多先輩が聞いてきた。

「あ、さっき、ヤンキーに絡まれて、助けてくれたんです。まるで、奏多先輩みたいですね。」

というと、奏多先輩は顔をしかめた。

「あ、熊谷さん、僕も名前で呼びたい。」

「へっ?」

確か、菅原先輩は、クールで女の子に話しかけられても、無視するっていう話だった気がするんだけど、

「ほんとに、菅原先輩ですか?」

「何を言ってるの?僕、本物の菅原麗音だよ。」

「そうなんですね、」

「ていうか、僕のこと、名前で呼んで。あ、あと、熊谷さんって言うのも、やめて、美桜ちゃんって呼ぶね。」

「えっ〜。」

「美桜ちゃん。それはダメ。菅原くんも。」

と、私が迷っていた時、奏多先輩が声をあげた。