一目惚れした人は学園の王子様


「もしかして、何かしてた?」

『あ、うん。勉強してたけど、今やる気なかったから、ちょうどいい。』

あ、私、勉強するの、忘れてた!!やばい!
電話が終わったら、勉強しないと!

なら、私、遊園地に遊び行ったりとか、電話してたりする場合じゃないじゃん!何してんだ、私。

『おーい。美桜ー?どうした?いきなり黙って。』

日向の声を聞いて、はっ!と顔を上げる。

「あ、いや、なんでもない!大丈夫!あのね。」

『あぁ、そう。それならよかった。で?』

「あ、今日ね、放課後、奏多先輩とデートしたの。」

『おん。』

「それで、お化け屋敷に入ったの、そのお化け屋敷の中に、私、お姉ちゃんいるんだけど、お姉ちゃんの彼氏いたんだ!!」

『えー。何その偶然!すごいね。てか、美桜って、お姉さんいたんだね。びっくり!』

「そうなんだぁー!言ってなくてごめんね?」

『ううん。今伝えられたからいいよ。』

うん!やっぱり日向は、優しいなぁ!そう思って、スマホを、握りしめた。

『でもさぁ、みんなリア充じゃん。あぁ、美桜のお姉さんに会ってみたいなぁ。』

「えっ!なんで?お姉ちゃん、意外にグーたらしてる人なんだけど。」

なんで、日向、私のお姉ちゃんに会いたいんだろう。私は、会う必要ないと思うんだけど。