どんどんあふれでる涙で碓水先輩が見えなくなる。





碓水先輩には私が抱えている不安が分かっていたようだ。








その不安とは美乃が自殺すること。







人の噂やイジメで傷付き逃れようとして自分の命を経ったというニュースが毎日のように流れている今の世。





美乃がその考えになったらと思うと怖くて怖くて仕方なかった。





紅にも廉にも言えなかった不安を碓水先輩は分かってくれていた。






「頑張ったね」






そっと頭が撫でられたかと思うと、次の瞬間にはふわりと優しく碓水先輩の腕に包まれる。






細身に見えるのに意外と固くてガッシリしていて、紅とは全然違う匂いがして。






だけど紅と一緒で安心する。





私が泣き止むまでずっと抱き締めて優しく頭を撫でてくれる碓水先輩。







今だけは碓水先輩に甘えていたかった。






私の大切なものを守るための復讐はこれで幕を閉じたのだ。