白+紅=蒼

今まで静かだった教室と廊下がざわつく。






「っあいつが俺の告白を断ったから悪いんだろ!!俺の事をこけにしやがったバカ女がよ!!自業自得だろ!!本当の事なんだから!!!」






「あっ」
「あ」





ブチッと何かがキレる音がした。






すーと息を吸う。






「美乃がどんな思いしたかアンタに分かるの」






気が付けば体が勝手に動いていた。








「根も葉もない噂でどれだけ傷付いて怖い思いするか分からないでしょ。アンタの勝手な逆恨みで私の大切な親友傷付けて。アンタみたいな最低でダサくてプライドの欠片もない人間が美乃に釣り合うはずない。美乃を傷付けた貴方を私は絶対にゆるさない。」






ゆっくりゆっくり安河内に近付く。






怒りの圧力に腰が抜けたように椅子に座り込む安河内。







ガツンっ!!






左手を怪我していることも忘れて思いっきり安河内の机に拳を叩き付けた。






「訂正しなさい」






安河内の机に私の拳の型がつく。





それだけ強く机を叩いたから。






「今アンタが口にした言葉と黒板に書いた美乃の事全て訂正しなさい!」






「わ、分かった!!俺が全部書いたでまかせでした!!すみませんでした!!!!」






半泣きの状態で謝る安河内。





「白」






廉に腕を引かれ私は渋々紅と廉の所に戻る。





ジンジンと痺れ始めた左手の痛みでやっと冷静さを取り戻す。






「白ちゃん。」







静かな教室の中でふと聞き覚えのある声がしてそちらを見れば心配そうな顔をした碓水先輩がいた。





「あれ?蒼さん?なんでここにいんの?」






どうやら紅も今気付いたようだ。







「なんでって、ここ俺の教室だけど。」






苦笑して言う碓水先輩。






「何があったか何となく分かったよ。アイツの事、後は俺たち2年に任せてもらえる?」






「……蒼さんが言うなら。白、廉もそれでいいか?」





私と廉は同時に頷いた。






「ありがとう。それから白ちゃんは保健室に行かないと」





「え?」






首を傾げれば碓水先輩が私の左手に振れる。





それだけでズキッと痛んだ。






「っ!」






「ほら、血も出てるよ。それに手も腫れ始めてる。早く冷やした方がいい。」






「白!早く保健室に行くぞ!」と慌てる紅。





「じゃぁ蒼さん!後は頼んだ!」






私の傷付いてない反対側の手を引っ張る紅






「っちょっと紅!!待って!引っ張んないで!左手に響くってば!!…あ、あの…騒ぎを起こしてすみませんでした。碓水先輩も迷惑かけてすみません。」





そういえば、フッと柔らかい表情で頭を撫でられる。





「後は任せて」





「…はい」





最後に廉が碓水先輩に頭を下げて私達は2年の教室を去った。






その後この出来事が全校生徒に広まるのは早かった。