紅とはいつもバスケをするからお互い次をどうするなんて考えなくても分かる。





しかし今日初めて碓水先輩とバスケをしたが、あまりの息の合いようにやはり物凄くバスケが上手いのだと実感する。




私と紅の以心伝心の中に入ってこれる碓水先輩はまだまだ余裕そうだった。




次々と余裕で点数を決めていく私たちに男達は焦りを感じているのかチームワークの乱れが目立つ。





24対0





結果は見えていた。





「お兄さんたちまだやるのー?」





指の上でボールを回しながら言う紅の余裕そうな顔に男達は苦虫を噛んだような顔をする。





「俺たちは負けてなんかない!!手加減してるんだよ!」





「手加減してる割りに随分疲れてるようだけど」





図星を付く碓水先輩。





「そう。まーだやる気あるんだー」





紅がニヤッと笑ってゴール下まで行く。





何をするか分かった私もゴールから離れていく。





「じゃぁこっちも手加減する必要なかったかなー。なー、白」





紅から投げられたボールを取ってシュートを決める。





私が立っている場所はスリーポイントゾーンよりも離れた所。





ゴールを通ったボールをまた紅が投げてくる。





それをさらに五歩ほど下がった場所からシュートを決める。





シュートを入れては離れまたシュートを入れる。





命中率は100%。





私の確実なコントロールに男達は驚愕に目を見開き子供は立って喜ぶ。





最後は反対側のコートラインからシュートを決めて入ったボールを紅がもう一度キャッチしてダンクを決める。





男達は既に踵を返して公園内から出て行っていた。





あっという間に歓声を挙げる子供たちに囲まれた私たちは目を合わせて笑った。