なんて話をしているとがちゃがちゃと玄関で物音がしてドアが開く音がした。




「あ、帰ってきましたね」





「はーく!ただいまー!……玄関にある靴ってだ…あ?蒼さん?」





「おかえり、紅。」と碓水先輩




「おかえりー紅。」





「え、た、ただいま。どういうこと?」





いまだ状況が掴めずキョトンとしている紅を見て、碓水先輩と顔を合わせて笑った。





「作戦成功です」




「うん」





一人ついていてけない紅を急かしてお風呂に入れ、碓水先輩と晩ご飯作りを仕上げる。





食卓には豚の生姜焼きとサラダにご飯と味噌汁が並べられた。





「なーんだ。そう言うことだったんだ。道理で蒼さん途中で居ないと思った」





「今日の試合は新人強化だから俺は必要なかっただろ?」





「だーかーらー!俺の相手が出来るのは蒼さんしかいないんだって」





「白ちゃん料理上手だね」





「そうですか?」





「うん。美味しいよ」





「そこ、話そらさない!」





初めて碓水先輩と食べる夕飯はとても美味しくて楽しいものだった。