白+紅=蒼

「試合相手は全国ベスト2だから油断は出来ないよ!だけど私たちには強力な助っ人がいるんだからね!!絶対に今日の試合勝って部の存続と部費の増額狙うぞー!!」





おぉーー!!と別の意味で気合いの入った円陣が組まれる。





全国ベスト2の相手は、やはりとても強かった。




しかしこっちも負けておらず、チームワークを活かしながら食い付いていた。





女バスが全国ベスト2の学校に勝利を掴めたのは一人の一年生の活躍によるものと言うニュースが広まるのは言うまでもない。





「んーーーー!!やっぱり体動かすのって楽しいー!」




試合は思いのほか長引いたが無事に勝利を手に掴んだ私たち。



女バスの皆から感謝され、照れながら私は紅と碓氷先輩と家へ帰っている所だった。





「俺、高校でも白はバスケ部に入ると思ってたんだけどな。今からでも遅くないんじゃね?」




両手をポケットに突っ込んだまま歩いている紅




「んーー。だけど1つの部活に入っちゃったらまた助っ人頼まれた時に大変になっちゃいそうだからなーー。体を動かすことは好きだけど、家のこともあるし」





そう言えば、一瞬紅の顔が曇った。




「だから当番制にしてるだろ?」




「そうだけど……」




「なんだよ」




「紅のご飯美味しくない時があるもん」




正直に言えば隣にいる碓氷先輩がクスっと笑った。



「は~~く~~!!ひっでーー!!お兄ちゃんこれでも頑張って作ってるんだぞー!?」



紅が鞄を振り回しながら私を捕まえようとしてきた。




「だって本当のことだもん!!だから紅が作るより私が作る方がいい!!」




咄嗟に碓氷先輩の背後に隠れる。




「紅?落ち着いて。」




慌てて紅を宥める碓氷先輩。




わーわーと騒ぎながら帰る私たちであった。