本当におバカな子ね。私がそう思っていた頃
ちょうどその「おバカな子」が部屋に入ってくる

翔太「ふぅ…」
ため息をつきながらソファーへ座る翔太。

由香「お風呂今日浸かったの?」

翔太「いやぁ、今日はこの後しなきゃいけないこともあるしシャワーだけ浴びてきた」

由香「そうなんだ。お疲れ様。無理しないようにね?」

私は優しく彼へそう告げる。

翔太「おう、ありがとな。いつもお前がいて助かってるよ由香。」

怪しい。そんなことをいきなり言うなんてありえない。
それでも私は笑顔を顔に貼り付ける

由香「ふふっ。いきなり何よ、何か良い事でもあったの??」

翔太「いや、そういうわけじゃねぇよ笑 本当にお前には感謝してんだって、」

良い事があった。もしくは、何かやましいことがある。のどちらか

由香「ありがとう。でも無理しないで、今日は疲れてると思うから頑張りすぎないようにね」

翔太「おう、なら俺は自分の部屋行くわ。由香は寝室でゆっくり寝な。おやすみ、また明日な。」

由香「うん。おやすみなさい」

ガチャ…
そう言うと彼はリビングを出て自分の部屋へ行く

由香「…」


_____________10分前____________



彼がお風呂に入ってすぐ彼のスマホから通知がなった

ピコン…

由香「…??」

見るつもりなんて無かったし、もしかしてって思った

翔太のスマホ画面には


「まだ別れないの?」


そうメッセージが届いていた

由香「…?!」
私は思わず驚いて彼のスマホを手に取る

相手の名前は「真凜」と書いてあった

由香「…っ、女か…」

なんとなく分かっててもやっぱり傷つく
最近の翔太は変なところで優しかったり、よく自分の部屋にこもっていた

私が「次いつデート行ける?」と聞くと
「ごめん。最近仕事忙しくてさ」
そうはぐらかされていた

由香「…」

こうなると私は止まらない

彼のスマホと家にあるパソコンをケーブルで繋げる

彼の携帯のパスワードなんてどうせ…

「0000」

そう入力すると
パスワードなんて無かったかのようにすぐにロックがあく

彼のスマホのアプリやメッセージをバックアップして連携させる

パソコン画面「…バックアップ中…」

10% 30%…

と、パソコンへ入っていく

由香「…間に合え…」

彼がお風呂から上がる前に終わらせないと。

100%…
由香「よし…っ」

そう私は心の中でガッツポーズをしたのだった