高校の体育の教師だった新垣和人先生に片思いして、毎日先生を目で追ってた。
ささいな挨拶がものすごく嬉しくて、先生が触ったシャーペンを宝物にしてたっけ。
授業で「矢沢」って呼ばれるたびに、胸が苦しいくらいにドキドキして・・・
そんな片思いをしていた私に舞い降りた幸運。
先生も私を好きになってくれた。
奇跡のような出来事だった。
人気者で、チョーかっこいい先生が・・・私の彼氏になったんだ。
教師と生徒の恋愛には、たくさんの壁もあって、すれ違ったり、傷付けちゃったり・・・
先生の秘密を知ってからは、先生の隣にいるべきなのは私じゃない気がして、いつもどこかで、申し訳ないって思ってしまってた。
その秘密っていうのは、先生に子供がいるってこと。
昔の彼女との間に娘さんがいたんだ。
真実を話してくれた先生をより好きになったけど、その分、自分が小さく見えた。
いっぱい悩んで、
いっぱい考えた。
その結果、出した答えが「別れ」だった。
今でも、あの時のことを思い出すと胸が苦しい。
その別れの日に、車の中でかかっていたのがこの曲だった。
だから、忘れるわけないよ。
一生鮮明に覚えてる。
あの時の先生の涙も・・・
あの月も・・・