今日は、先生の隣に座れない。
当たり前だけど、そんなことが寂しかったりもした。
大きな机が私と先生の間にあることが、なんだか寂しい。
時々、目を合わせて、微笑み合うのが新鮮で、ドキドキした。
食事が運ばれて来て、和やかなムードの中、だんだん弟さんの素顔が見えてきた。
とにかく照れ屋さんで、私が「かっこいい」と言うと、顔を真っ赤にして照れた。
先生よりも色白なのは、先生が体育で焼けているからかな。
髪の毛は、先生と似ていて、くせ毛ほどじゃないけど、ストレートでもない。
先生よりも目がくりくりとしていて、本当にアイドルっぽい顔をしていた。
私の両親が声をかけると、笑顔で答えるんだけど、
先生や、先生の両親が何か聞くとぶっきらぼうに答えて、
反抗期の中学生って感じのかわいらしさがある。
鼻は、先生と同じで高いんだけど、先生よりも少し丸い感じ。
体は、先生よりもひと回り小さくて、細身。
でも、筋肉質で、手が先生に似て、大きかった。
視線を感じた。
向かいに座る先生が、ジロリと睨む。
私は手を合わせて、『ごめんね』と口を動かす。
先生、嫉妬したんだぁ。
私がさっきから、弟さんの観察ばかりしているから。