龍と依子の出逢いを作ったのは、ゆかりだった。


でも、私もゆかりもここまで来るとは思っていなかった。



やっと涙が一段落したお父さんが、マイクをぎゅっと握り締め、絞り出すように声を出した。



「依ちゃん・・・本当におめでとう。こんな綺麗な花嫁さんになって、本当に嬉しい。君が僕を必要とした時に、そばにいてあげられなくて、済まなかった」



お父さんは、龍によろしく頼むと言い、龍と握手をした。




その後、依子のお母さん手作りのいちごのケーキにケーキ入刀をした。




なかなか止まらない涙を、何度も先生が拭いてくれた。





それから、楽しい時間が流れて、2人は笑顔で退場した。



私とゆかりは、走って依子を追いかけた。




「依子ぉぉぉぉ!!」


「直・・・ゆかり・・・!!」




会場を出て行く依子を呼び止めると、依子は私とゆかりに抱きついた。



「本当にありがとう。まさか・・・また会えるなんて思ってなかったから」



依子は、輝くような笑顔をしていた。




「龍、あんたイイ男になったじゃん!」


「お互い様だよ!!」



龍とゆかりは握手で別れた。