「それでは、新婦直さんの恩師でもある、和人さんの学校の教頭先生から一言いただきます」




教頭先生は、先生が学校でどんな先生なのか、どれだけ生徒から慕われているか、ゆっくりと話してくれた。



教頭先生は、今まで教師をしてきた中で、新垣先生ほど生徒思いの先生はいないかも知れないと言った。


先生は隣で、そんなことないですよと首を振って、照れていた。




でも、私もそう思う。


誰も、否定しないと思うよ。



先生は、いつも生徒の幸せを考えてくれる。


だから、先生の周りにはいつも生徒が集まるんだ。




「実は・・・直さんが在学中から私はこの日を予感しておりました。必死に気持ちを抑えるふたりを見ていて、いつか結婚できるといいなと願っていましたので、今日この場にいられることを幸せに感じます。本当に、おめでとう」




我慢していた涙が一気に流れた。




先生はポケットからハンカチを出し、私にそっと渡した。


教頭先生、気付いていたんだね。




あの音楽室の密会を・・・見逃してくれて、本当にありがとう。