私は電話を耳にくっつけたまま、車へと走った。



「先生!!!」


「よぉ、直」



電話からの声と、実際に目の前にいる先生の声が重なる。



「直、会いたかった」



先生は、車から顔を出し、電話に向かって言った。



「もう1回言って。携帯に録音したいから!」




先生は、私の変なリクエストに応えてくれる。




「直・・・愛してるよ」




思わぬセリフを録音できて、私は興奮してしまった。




「先生~!!私も愛してる~!」





やっと電話を切った私は、やっと先生に触れることができた。


先生の車に乗り込むと、すぐに先生の腕に触れた。



「先生が近くにいる~」


「そうだよ。いくらでも触っていいよ」



私は先生のひげを触り、頬を撫でた。