「卒業して2年も経つのに、ずっと俺を想ってたのか?」



「何人か付き合った。でも、先生以上に好きにはなれなかった」



荒木は視線をそらし、手をブラブラさせながら言った。


直は、荒木をよくわかってる。


直が言っていた通りだ。




「今は?」



「今は・・・付き合おうか悩んでる人がいる。何回も告白されて断ってるのにしつこいの。でも、やっぱり無理だなって思った。先生に会って、そう確信した」



俺はほっとした。


ズルイかも知れないけど、荒木を好きだと言う男がいて良かったと思った。




「俺がこんなことを言うのはおかしいけど、その男の気持ちって・・・考えたことある?高校時代、お前は俺に何度か告白したよな?それでも俺を今でも好きなのはどうしてだ?」





「本当に先生が好きだから」





「だろ?それはその男も同じなんじゃないか?フラれてもフラれてもお前のことを忘れられなくて、本当に荒木のことが好きなのかも知れないぞ」






「先生・・・」