「懐かしいだろ。覚えてるか?」



先生が向かっていたのは、思い出の場所だった。



高校時代、夜景を見たいとわがままを言った私の為に連れて来てくれた場所。




「新垣先生。お説教お願いします」



私は、夜景を見ずに、夜景を見つめる先生の横顔に見とれていた。





「直・・・俺はお前が好きだ」



突然、先生からの愛の告白に、私は足をバタバタさせて、興奮してしまった。



だって・・・


お説教だと思ってたのに、いきなり真顔でチョーかっこいい声で『好きだ』なんて言うんだもん。



先生・・・




「私も、好きです」



こんなおかしな会話をしている私と先生を、この綺麗な星空は笑ってるかも知れない。




私は、先生の腕にぎゅっとくっついて、先生の二の腕に顔を押し付けた。