「ただいまから、模擬挙式を行います。皆様、ご着席ください」
入口の扉に、みんなの視線が集中した。
そこだけ、白いライトが当てられた。
音楽と共に扉が開き、新郎新婦の入場。
真っ白なウェディングドレスは、小さな真珠が縫い付けられていて、キラキラと輝いていた。
新婦役の女の人があまりに綺麗で、先生の視線の先が気になっちゃったりして・・・
相変わらずの私。
くるっと振り向いた先生が一言。
「直の方が似合うだろうな。あのドレス・・・」
先生、大好き。
本当に・・・先生が好きです。
きゅんきゅんしてる私の頬に先生がそっと頬をくっつけた。
みんなが新郎新婦を見ている間に、こっそりと。
「先生・・・」
聖歌隊の歌声も、パイプオルガンの音も、キャンドルの灯りも・・・本当に素敵で涙が出そうだった。
模擬挙式だから、新郎と新婦が一緒に入場したけど、本当はお父さんと歩くんだよね・・・
絶対泣いちゃうよ、お父さん。

